【留学体験記】2025年春季 分野別短期研修 隼田 彩希さん【ローマ】

2025年3月10日(月)~3月23日(日)の期間中に開催された、春季の海外で学ぶ分野別短期研修。
その「ローマで学ぶイタリア食文化とサステナビリティ 」プログラムに参加された 隼田 彩希さんからレポートが届きました!

今回プログラム参加を決めた理由は何ですか?
私は以前から「人生で一度はイタリアへ行きたい」という夢を持っていました。
食や環境といったテーマにも関心があり、現地で学ぶことでより深く理解したいと思っていたものの、なかなか機会に恵まれませんでした。
また、これまで韓国に留学し韓国語を学んだ経験がありますが、今回は英語を使って異なる文化圏に触れ、語学力と視野をさらに広げたいと考えました。
プログラムの開催時期や内容が非常に魅力的に感じられたこともあり、参加を決意しました。

現地到着後のオリエンテーションの内容や雰囲気を教えてください
成田空港を出発したのは日本時間の10時、現地に到着したのは現地時間の22時過ぎでした。
滞在先に着いたのは深夜0時頃で、皆かなり疲れた様子でした。
翌日のオリエンテーションでは、IESセンターのナイケ先生がイタリアに関する情報や、ローマ滞在中の注意点について丁寧にレクチャーしてくださいました。
滞在先からIESセンターまではペペ(現地スタッフ)が案内してくれたので、道に迷うこともなく安心して向かうことができました。
途中で立ち寄ったお店で食べたコルネットは、ちょっとした思い出です。
また、その日のウェルカムランチでは、ニョッキやラザニア、ティラミスなど、たくさんのイタリア料理を用意していただき、どれも本当に美味しかったです!

現地でプログラム中のサポートは十分にありましたか?
サポート体制は非常に充実していました。
IESセンターの方々はとても気さくで話しやすく、WhatsAppを通じた連絡も常時行われており、質問にはいつでも迅速に対応してくださいました。
プログラム中にスリの被害に遭ったメンバーに対しても、ペペが丁寧に対応してくれました。
観光名所の団体予約やシティーツアーの手配もしていただき、ありがたかったです。
また、公共交通機関の定期券を事前に用意していただいていたため、行動の幅がぐっと広がりました。

プログラム中、一番楽しかった/印象に残ったアクティビティ・イベントは何ですか?また、それはなぜですか?
滞在先の中庭で開かれたパーティーが、特に印象に残っています。
各自が自炊した料理を持ち寄ることから始まった中庭での集まりは、気づけば毎晩のように開催されるようになっていました
ワインテイスティングで出会った美味しいワインを楽しみながら、笑いあり、時には涙もありの様々な話を通して、メンバー同士の関係もぐっと深まったと感じています。
寒い中、夜遅くまで中庭で語り合う時間は、普段の大学生活ではなかなか味わえない貴重な経験であり、本当に楽しいひとときでした。

プログラム中、一番楽しかった/印象に残ったフィールドスタディー(会社見学など)は何ですか?
私が最も印象に残っているのは、FAO(国際連合食糧農業機関)を訪れたことです。
もともと国際機関や「食」の分野に関心があった私にとって、まさに夢のような貴重な時間でした。
訪問に先立ってFAOの役割や取り組みに関するレクチャーを受けていたため、実際の施設を見学する際には理解がより深まり、解像度の高い有意義な訪問となりました。
特に印象的だったのは、実際に国際会議が行われる会場で、議長席のど真ん中に座らせていただいた瞬間です。
世界中の代表者が集まり、重要な議論が行われる場所に自分が立っていることに大きな感動を覚えました。
この経験を通して、国際的な視野を持ちながら「食と環境」に関わる課題に取り組むことの意義を、改めて強く感じました。

プログラム中、印象に残ったゲストレクチャー(ゲストスピーカーを招いての講義)は何でしたか?それはなぜですか?
コラッジョ農園でお話を伺ったジャカモさんの言葉が特に印象に残っています。
若者でありながら、社会的弱者に目を向け、ソーシャルグッドの視点から農業問題に真摯に取り組む姿勢に深く感銘を受けました。誰もが夢を描くだけで終わってしまう中で、それを実現に向けて行動し、形にすることは決して簡単なことではありません。
長い年月をかけて実現させたプロジェクトにもかかわらず、決して諦めずにやり遂げたその姿勢、そして今ではその農園が地域コミュニティの場として機能していることに心を打たれました。
目の前の課題に対して自ら動き、変化を起こしていくイタリア人の行動力を、私も見習い、自分の将来に活かしていきたいと強く思いました。

英語でディスカッションまた会話する機会は多くありましたか?
ディスカッションを行う機会はほとんどありませんでした。それよりも、IESセンターの方々と日常的に会話をしたり、レクチャー後の質疑応答の時間に英語を使ったりする場面が多かったです。
全員が英語を使って話す機会は、最終日のプレゼンテーションのみが必須でした。
そのため、「英語をしっかり話せるかどうか」と気負わずに参加できる、ハードルの低いプログラムだと感じました。

最終発表(プレゼンテーション)の内容を簡単に教えてください。
最終プレゼンテーションのトピックは自由に選ぶことができました。
私は、この2週間で得た新たな知見や特に印象に残った出来事、自分の関心に基づいた日本とイタリアの比較リサーチ、そして帰国後の行動計画について、総合的にまとめて発表しました。
一方で、多くのメンバーはひとつのテーマに焦点を当てたプレゼンテーションを行っており、それぞれの個性や興味が反映された発表が多かったのが印象的でした。

自由行動の日(土日)はどのように過ごしましたか?
正式に「自由行動の日」として設けられていたわけではありませんが、プレゼンテーション作成日として1日フリーの時間がありました。
その日、私はフィレンツェを訪れました。過半数のメンバーが同じくフィレンツェを行き先に選んでいたように思います。
ローマとはまた異なる雰囲気があり、とても楽しい時間を過ごせました。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会やドゥオモ広場、ヴェッキオ橋を通り、最後はミケランジェロ広場へ。
広場からの眺めは本当に美しく、少し足を延ばしてでも訪れる価値があります。
また、フィレンツェで有名な革製品のお店では、ペンケースなどを購入しました。
列車でローマに戻った後は、数人でオーケストラを鑑賞。
そのほか、皆でオペラを見に行く機会もありました。
オーケストラ鑑賞後は帰宅し、プレゼンテーションの作成にしっかり取り組みました。
自由に動けたのは1日だけでしたが、非常に充実した一日となりました。

滞在先での生活はいかがでしたか?
滞在先は比較的綺麗で、ドライヤーや洗濯機などの設備も整っていました。
しかし、いくつかの部屋ではレンジやケトルが使えなかったり、ドライヤーが故障している部屋もあったため、すべての設備を当てにしない方が良いかもしれません。
食事は付いていなかったため、レストランに行ったり、自炊をしたり、パックご飯を食べたりと、各自が自由に過ごしていました。
グループ活動を通じて仲が深まり、そこからレストランに行く機会が増え、食事の時間も楽しいひとときとなりました。

現地に持って行ってよかったと思うものはありますか?また、持っていけばよかったと思うものがあれば教えてください。
・モバイルバッテリー
・風邪薬
・日本食(パックご飯、お味噌汁、カップラーメンetc)
・薄手の服と厚手の服(日によって気温差が激しかったため)

2週間という短い期間でしたが、今回の留学先国で気づきや発見はありましたか?また、その国の魅力を教えてください。
食に対するこだわりやアイデンティティに対する考え方が日本と大きく異なることを実感しました。
日本ではオーガニック食品を選ぶことが意識高い系だと見なされがちですが、イタリアではオーガニック食品が一般的で、むしろそれが標準的な選択肢となっています。
買い物の際には、ラベルの裏側まで隅々と確認するのが習慣で、食に対する関心の高さが感じられました。
また、イタリア人の地元愛や地域への誇りには驚きました。
出身地を尋ねると、単に「イタリア」と答えるのではなく、「自分の地域の名前」を言うのが一般的で、地域ごとのアイデンティティの重要さを感じました。
さらに、イタリア人の英語力には圧倒されました。
ローマで過ごしたこともありますが、ほとんど全ての人が流暢に英語を話し、幼稚園から英語教育が行き届いていることに感心しました。
日本もグローバル化に向けて、この点をもっと重視していく必要があると感じました。

現地でお気に入りのお店や場所はありましたか?
私のお気に入りはサン・ピエトロ大聖堂です。
滞在先がバチカンの近くであったため、IESセンターへ行く際は必ずその前を通っていました。
大聖堂の内部はとても美しく、神秘的で、圧倒されるような素晴らしい空間でした。
特に、今年がジュビレオの年だったため、聖なる扉を通ることができたのは貴重な体験でした。
コロッセオやトレビの泉、真実の口など、ローマの有名な観光地にも訪れましたが、現地の方々にお勧めしていただいたレストランやジェラート屋さんに足を運ぶことができたのも、とても印象的でした。
現地の人々が教えてくれる、観光地だけでは味わえないローマの魅力を発見できたことは、留学をさらに特別なものにしてくれました。
特に、地元の食材を使った料理や手作りのジェラートは、どれも絶品で忘れられません。

今回のプログラム参加経験は、ご自身に何か影響を与えましたか?
この2週間の留学は、私の視野を広げ、価値観を多角的にする貴重な経験でした。
イタリアの食文化に触れ、オーガニック食品が一般的であることに驚きました。
また、地域社会への誇りを感じました。
観光地を訪れるだけでなく、現地の人々との交流を通じて、イタリアの多様な側面を学び、異文化理解や多様性、自己主張の重要性を実感しました。
今後は、広い視野で物事を考えていきたいです。

最後に、分野別短期研修への参加を考えている方にメッセージをお願いします!
このプログラムへの参加を検討している皆さん、少しでも興味があるなら参加をお勧めします!
何より、FAO(国連食糧農業機関)を訪れる貴重な機会があります。
現地の文化に触れ、学びながら充実した時間を過ごせることは、他では味わえない経験です。
語学力に不安があっても、サポート体制が十分整っているので大丈夫です。
毎日が濃く、学びと発見の連続で、きっと素晴らしい思い出になると思います!


隼田 彩希
Ciao! 叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部3年の隼田彩希です!
”やりたいことは全部やる”をモットーに大学生活を送っています。
今回2回目の短期留学として、ローマのプログラムに参加しました。
同プログラムへの参加を検討している方の参考になれば嬉しいです!